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TOKIO山口氏の事件と芸能界の性被害について思うこと。

前置きしておくと、私はTOKIOのファンでもなければ、山口達也氏のファンでもない。

だからこの事件がマスコミを賑わせていたとき、正直どうでもいいと思った。

キスがどうので中年男性がテレビで泣くなんてなんだか大げさだし気持ち悪いなぁくらいの感想しかなかった。

 

この事件が起こる少し前の時期、タイムリーなことにいくつか気になる漫画や記事を読んだ。

それらは元グラビアアイドルが受けたセクハラ記事だったり、元アイドルが体験した業界内の愛人契約や売春について描かれたルポ漫画だった。

 

けっこう衝撃だった。

 

被害者の女子高生には、自分で夜男の家にいったくせに、好きで芸能界に入ったのだから被害を受けて当然のような批判もあった。

 

芸能界には未成年者を含め、若く美しい女性が多くいて、彼らのごく一部は女優や歌手、アイドル、モデルとして確固たる地位を築いていくが、ほとんどは大成せず風俗やAVに流れていく。

売れないアイドル候補生や女優志望者がグラビアなどを経て性風俗業界に「落ちる」ことはよくあることだそうだ。

風俗ではなくても、個別に年上の男性と愛人契約を結んだり、パトロンになってもらうこともあるという。

アイドルという肩書きは自分の商品価値を高めるブランドのロゴに過ぎない。

アイドルになるという目的が、手段になり、より良い条件で自分を売ることが、生き残る道だと勘違いしてしまう女性たちもいる。

 

TOKIO山口氏の事件で良かったと思うのは、相手が誰であれ、女子高生と性的接触(キスを含め)をもとうとすることは、今までのキャリア全てを失っても当然な大罪であると多くの人が知ったことだ。

 

山口氏の事件はたぶん氷山の一角に過ぎず、泣き寝入りした未成年者は芸能界全体のなかで星の数ほどいるのだろう。

未成年者のなかには、あえて自分から芸能界での大物と性的接触をもつことで、チャンスをつかもうと考える者もいるのかもしれない。

 

だが芸能界の有名人であろうが、大金を払おうが、未成年者と性的接触をもつことは許されていない。 

 

そして芸能界全体が売れない女性たちを性的に搾取する構造にも関わらず、入り口ではさも夢のようなことを言って素晴らしい世界であることをPRすることに憤りを感じる。

 

今や、幼児向けアニメがアイドルになることを推奨する時代なのだ。

アイドルやモデルになることは、素敵な洋服をきてキラキラした生活を送ることであって、

実際何パーセントがテレビに日常的に出られるくらいのアイドルになれるのか、アイドル候補生がどれくらいの収入を得ているのか、アイドルになれなかった場合にどんな未来が待ち受けているのかは決して明かされることはない。

 

アイドルやモデルは、できる時期も限られている。

若く美しく、体力があるうちはいいが、30代、40代になっても続けられる仕事でない。

 

そうすると若く美しいうちに稼げるだけ稼いで引退するか、お金持ちと結婚するかしか道がない。

華やか世界を経験して、今さら会社員などになれないことは彼女らもよくわかっているから、簡単にお金が手にできる道を選んでしまう。

 

特別な才能や生まれつきの美人が山ほどいる世界だから、自信満々で夢や希望に溢れて芸能界に入っても、現実の中で徐々に自信を失い、こんな自分には道がないんじゃないかと不安になってしまう。

加害者はその不安感につけ込む。

セクハラ被害にあったグラビア女優のブログを読んだけれど、おそろしく自己評価が低いのにびっくりした。

彼女は私たち一般人より美しく、スタイルもいい。

それでも、私なんかブスだ、こうでもしないと見捨てられてしまうという恐怖感を抱えている。

 

夢のような世界に憧れて入った芸能界で、消耗品のように使われて、自尊心が傷ついていく。

そして、誘いにのったそちらが悪いと言われて性被害に遭う。

未成年者でも20代の女性でも一緒だ。

 

どんなに大金をつまれても、生活に困っても、体は売るべきじゃない。(高いプロ意識をもって、成人女性が自分の判断で行う場合をのぞいて)

体を売った、裸を見せた、公に口に出せないことをしてしまったという事実が、さらに心を消耗させていくから。

顔の美醜や売れる売れないであなたの価値が決まったりはしない。

自分の価値を自分で決められないのなら、体を対価にお金を得るべきじゃない。

 

そして同時に、平気で女性の性を軽く扱う芸能界のオジサンたちにその重大さを認識してほしいと強く思います。