お金をつかうこと。生きること。
朝日新聞デジタルで読んだ、白岩玄さんという作家の記事に最近感動した。
白岩さんは、20代で初めて書いた小説が大ヒットし、ドラマ化され、思いがけない大金が入ってきた。
しかし、なぜか散財しようとすると気持ちにストップがかかる。
それはなぜかとずっと考えてきた。
そして思い出したのは、小さい頃シングルマザーとして苦労して自分を育ててくれた母の後ろ姿。
そして母の財布に自分のお小遣いの100円をそっと入れていた、あの日の自分の気持ち。
そんな内容だ。
自分のお金の使い方が幼少期に決まってしまうという白岩さんの意見に賛成する。
妹とも、この前そのことについて話したばかり。
妹と私のこどもは、どちらも小学校低学年。
妹のこどもはあるだけ使ってしまう。
お年玉などの大きなお金も、ゲームやおもちゃですぐなくなってしまうという。
うちのこどもは、お金を貯める方が好きだ。こども名義の通帳をつくったら、毎年お年玉で増えていくのを楽しみにしている。
もうすこし大きくなったら、それを元手にジュニアNISAで少額運用を始める約束をして、楽しみにしている。
残った分は、自分の学費にしてほしい、と言っていた。(高校留学を希望している。)
というとなんだか良い子すぎて出来杉くんみたいだが、ケチで人と分け合うのが苦手という側面がある。
お金を上手につかうことは難しい。
ケチでもなく。
浪費家でもなく。
自分の人生に本当に必要なところに、お金を使う。
お金に関する能力には3つあると思う。
ひとつは、貯めるちから。
目先の快楽を我慢して、将来のために出ていくお金をコントロールする力。
これは、心がけと習慣の賜物だが、個性の影響も大きい。お金を貯められない性格の人もいる。
もうひとつが、つかうちから。
これが難しい。人間関係を円滑にするため、あるいは将来のために、つかうべきときには使わなくてはいけないが、浪費なのか投資なのかを考える習慣が必要だ。
さいごにふやすちから。
働く、運用する、など、お金を増やす力がなければそもそもお金を貯められない。
幼少期、お金で苦労した人の中には、同じようにお金に苦労する未来を手にしてしまう人と、そこから脱却して成功する人と、両極端にわかれると思う。
今読んでいる「お金2.0」という本の著者の佐藤航陽さんは、やはりお金に苦労して育ってきた人だ。
今は時代の最先端にいて、お金の未来を見据えている。
たぶんなんの苦労もなく育ってきた人なら、ここまで真剣にお金のことを考えなかったのではないかと思う。
自分の子育て環境で、こどものお金の使い方まで決まってしまうとは恐ろしい。
大事なのは、お金があるかないかとはあまり関係がない。
親が仕事やお金を大切にすること。
借金はしないこと。
仕事やお金をとおして、だれかを幸せにできることを示すことだと思う。
作家、白岩さんのお母様はどんなに家計が苦しくても、そのことでこどもたちに我慢させることや愚痴ることはなく、好きなことをさせたという。
お金と親との関わりを、こどもは冷静に見ている。
そのことを、肝に銘じておきたい。