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フルタイムワーキングマザーの忘備録。投資初心者です。

パパの年収1000万!は金持ちでない理由。

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よく、年収1000万という数字が、高収入のひとつの目安として取り上げられています。

 

結婚相談所でも、年収1000万以上の男性は高所得層として扱われ、多くの独身女性たちは「そんなに収入がある人と結婚すれば、専業主婦で優雅に生活できるはず」と思っています。

 

(今は高所得層であることより性格や相性などが重視され、必ずしも人気があるとは限らない時代ですが、

やはり年収1000万以上の男性が婚活市場においては有利であるということは変わりません)

 

今ここで、仮に年収がちょうど1000万円の男性がいたとして、専業主婦の配偶者と子どもと国内に住んでいると仮定した場合、彼らはお金持ち世帯とはとても言えないと思っています。

 

理由は後述しますが、大きく4つです。

1 収入に対して、負債(支出)が大きすぎる。

2 税金等の負担が高く、可処分所得が低い。

3 公的補助を受けにくい。

4 負債(支出)は今後増大し、収入は支出ほど増大しない。

 

1については、逆に言えば、年収1000万あって単身者ならば、十分優雅な生活が楽しめます。

 

しかし専業主婦の妻と子どもを養うためにはお金がかかるので、そういう意味では家族を持つということは負債です。

(こどもをもつことを否定する意味はありません)

もちろん専業主婦の主婦が節約上手で、外食もレジャーもほとんどせず、被服も買わないし習い事もさせないということであれば問題ないでしょう。

しかし、年収1000万の男性と結婚したと思っている女性は、一般家庭より自由に使えるお金が多いはずと考える傾向があります。

 

年収1000万もあるのなら、ちょっといいレストランで外食したいし旅行にも行きたい。

新築の家や車が欲しいし、教育にはお金をかけたい。

夫婦でそう思うケースが多いのです。

 

はっきり言って、年収1000万の可処分所得は多くありません。

そのことを自覚しなければ、貯金はできません。

ましてや奨学金の返済や住宅費などで高額なローンを抱えている場合は、「ちょっとリッチな生活」をするとあっという間に貯金を食いつぶしてしまいます。

 

 

2 年収1000万の男性は、それだけ税金を支払っています。

それなら夫の年収は500万だけど、妻も同じくらい収入があるという家庭の方が、可処分所得が多いのです。

つまり同じ世帯年収なら、共働きの方が経済的に余裕があるということになります。

 

え、でも働くと社会保険料も税金もとられて、夫も配偶者控除が受けられなくなって、損をするんじゃないの?

と疑問に思う方にオススメしたい本がこちらです。

 

花輪陽子氏、是枝俊悟氏共著

「大増税時代を生き抜く  共働きラクラク家計術」

本では、同じ年収1000万の世帯の税金と可処分所得をケースによって詳しく比較しています。

夫500万、妻500万の場合、所得税、住民税、社会保険料、こども手当を考慮した可処分所得は800万円。

夫のみが1000万の場合は739万(約740万)となり、共働き世帯の方が60万ほど使える額が上がることがわかります。

 

なぜこんなことが起きるのかといえば、

ひとつには、働いて税金を納める者には基礎控除をはじめとする各種所得控除があり、夫婦で納税することによって控除をそれぞれ活用することができること。(配偶者控除よりずっと大きな控除額になります。)

ふたつめは日本は累進課税制度ですので1000万の収入に対してかかる税金よりも、500万円の収入にかかる税金の2倍の方が安いのです。

 

個人的には片働きである夫になにかあったときのために、高額の死亡保障のある保険に加入している家庭が多く、それが毎月の支出がふくらむ要因の一つとなっているのではないかと思います。

共働きなら、いざというときの保障は最低限で済みます。

 

3 公的補助を受けにくい。

公的補助とは子ども手当やこどもの医療費助成を指します。医療費は地域によって所得制限があるところとないところがあり、子ども手当は所得制限があります。

 

年収960万以上だと、こども手当は支給されず、特例として月5000円が支給されることになっています。

しかし特例なので、いずれはもらえなくなってしまうのではないかと言われています。

所得制限は世帯の合計ではなく、夫婦の多い方の収入を見ます。

共働きだと、可処分所得所得が多い上にこども手当は満額もらうことができて、非常に得なのです。

 

4 支出は増大し、収入は増大しない。

私立幼稚園や習い事、可愛い子供服、こどもにかけるお金にはきりがありません。

そしてそのまま私立の小学校や中学校に行かせると、こどもにかかる費用は加速度的に増大します。

 

しかし、その分収入が増えるかといえば、そうではありません。

年収500万の男性が1000万になることはあるかもしれませんが、年収1000万の男性が1500万になることは稀です。

私の周りの年収1000万の男性は、例えば高い能力を買われて年俸制になっていたり、残業など仕事量が多くその年収になっていたりするので、

今より収入が劇的に増える見込みは薄いのです。

 

こどもの進学費用がどんどん増えていよいよ家計が厳しくなり、妻が働きに出るケースもよくあります。

 

以上をふまえ、家庭をもちながら経済的に余裕のある生活を送るためには、工夫が必要です。

 

ひとつは配偶者に働いてもらい、可処分所得を増やすこと。

ふたつめは支出を減らすこと。必要最低限を残し保険を解約する、格安スマホに変える、買い物に行く回数を減らす、習い事は2つまでと決めるなどで支出は効果的に減らすことができます。

3つめは毎月確実に貯金をし、運用で手堅く増やすこと。

 

この3つを守ることで、年収が高くなくても、未来に向けて資産をつくっていくことができます。

 

年収600万から1200万くらいまでは、年収の額よりもお金の使い方、貯め方、考え方がものを言うゾーンだと思います。

 

それ以下でしたら、節約や運用よりも世帯の収入をあげることが先決です。

それ以上になってくると、支出を抑えるよりも税金対策の方が効果が大きくなってきます。

 

数字のイメージに踊らされず、今の自分はどれくらいの使えるお金があるのか、どのようにそれらを使い、未来のためになにができるのか。

 

真剣に考えていきたいものです。