仕事と育児。おまけに投資、始めます。

フルタイムワーキングマザーの忘備録。投資初心者です。

子どもの話に傾聴を10年間続けたら、話すのはうまいけど話を聞かない子になってしまった話

世のお父さん、お母さんたち。

こどもの話、ちゃんときいてあげていますか?

 

よく育児の本や講演会なんかでききますよね。

こどもの話をちゃんときいてあげましょう。

遮らず、子どもの話を毎日じっくりきいてあげることが大切です、って。

 

私、これ、ものすごい実践して10年間息子と向き合ってきたんですけど。

 

もちろん忙しくてそんな暇ないわ!ってママもいたりして、それはそれでダメではないし、いいんじゃないかと思っています。

 

こどもの話を毎日ちゃんときくって、ホントに実践してる人いるの?

実践したらどうなるの?って疑問に思ってる人もいると思うので、

我が家の場合、結果どんな感じになってるかっていうのをご報告します。

 

まず、なんで私がここまで傾聴にこだわるかっていうところなんですけど。

私自身、子ども時代に親から話をきいてもらえなくて、辛かったからです。

私の母は、話はきくけどすぐ遮って自分のことを話し出したり、「あなたって○○な性格なんだね」と分析を始めたりします。

父はそもそも他人に興味がなく冷淡な人で、感情に共感するということができない。

 

2人とも、話をきくのが下手という自覚はなく、むしろ、話はよく聞いていると思っているようです。

私はそんな親に何度も話しかけ、その度に批判されたり無視されたりして失望し、

結果、なにも親には相談しないし言わない方がいい、という結論にいたりました。

 

今もそれは変わりません。

人生で辛かったとき、親は私の話をきこうとしなかった。

それは、不信感として私の心に傷を残しました。

 

そして将来、自分は子どもの話をきく親になろう、と強く決意したのです。

 

相手の気持ちに寄り添って話をきくのは、実は簡単なことではありません。

ただ聞けばいいのではない。傾聴には技術と努力(練習)が必要です。

 

私は大学時代、心理学を専攻し、カウンセリングの授業を専門に受けています。

カウンセリングの傾聴を技術として身につけ、磨くため、本や実習で鍛錬してきました。

 

社会人になってからは、毎日何人ものお客様の話をきく仕事を、10年以上続けてきました。

死にたい、辛いという深刻な相談を、電話や窓口で伺うことも多かったです。

いい加減な仕事をしたくない、誰かの力になりたいという思いから、勉強しながら日々傾聴を続けた結果、お客様にあの人でなければ嫌だと言ってもらうことが増え、職場で接客でお手本になる人、と言われるようになりました。(もちろん、まだまだ足りない部分は多かったのですが)

 

結婚して子どもが生まれ、自分の夢だった「子どもの話をきく母親」になろう、と改めて決意。まだ話せない赤ん坊のときから、「聴く」、気持ちをくみ取ることを意識してコミュニケーションを図った結果。

息子は普通よりずいぶん早く言葉を話し出すようになり、1歳半くらいには息子の言っていることは、私はほとんどわかるようになりました。

語彙もどんどん増え、年齢以上に大人びた会話をするようになり、そして現在10歳。

 

とにかく話す、話す、話す。

そして、人の話を聞かない・・・!!

 

これは盲点でした。

 

通知表にも毎度書かれる、「人の話を聞かない」。

そして、しゃべるのは得意なのに、書くことがとても苦手。

 

これは私が毎日毎日、話をたくさんきいてあげたせいなのか・・・。

 

大人に話しかける、ということにまったく躊躇がなく、道の知らないおじさんにも気になることがあるとどんどん話しかけます。(それなにやってんの?とか)

一緒に病院にいっても、息子が先生に症状の説明など全部するので、小学生になってから私が口を出したことはありません。

遊園地やお店でトイレに行きたい、道がわからないなど困ったことがあると、私にきかず、自分でスタッフをつかまえて質問します。一緒にレストランに入って食事を終えると、これが美味しかったよ、などと店員にさらっと感想を伝えていたり。

みんなの前で発表する、とか知らない友達に話しかけるとか、とにかく話すことにかけては、得意中の得意。

友達とお笑いコンテストにでて、優勝したこともあります。

 

大人同士の話にも混ざろうとしますし、政治や地理、歴史、国際問題、環境問題などの時事ネタにも強く、話す内容も本当に小学生?!とよくびっくりされます。

 

子どもの考えることを知るのがうれしく、息子と話すことは本当に楽しくて、

なんのために生きるのか、環境問題とはなんぞやなんていうテーマで、2人で盛り上がって1時間近く話し込んでしまうこともあります。

(ちなみに夫はこういう抽象的な議論にあまり興味がないです)

 

なのに、聞けない。

人の話が聞けない・・・。

(この場合の聞く、というのは、1対複数の先生の説明や、一方的な指示などが聞けないということで、会話の中での相手の話はきいています)

 

これが息子のもともとの性格的な問題なのか、私の傾聴のせいなのかははっきりしません。

生意気なことと、めんどくさい説明をきくのが苦手で授業中ボーッとしているのは、私の傾聴のせいではなく、本人の性格なのでは・・・という気も。

(性格の遺伝・・・?)

 

とにかく傾聴によって子どもが伸びるのは「話す力」で、聞く力ではない気がします。

 

そして私は話し下手なこどもで、書くことでずっと自己表現してきたのですが、息子は逆に話すことで自己表現できるので、書くことにはあまり興味がないんではないかと。

 

あっちが立てばこっちが立たず。どっちをとるか、難しいですね。

 

もしお子さんの話し下手が気になるお母さんがいたら、お子さんの話を聴くことを意識してみてはどうでしょうか。

 

とりあえず私が意識しているのは、こんな点です。

・どんなに悪いことやマイナスのことであっても否定せず、「きいているよ」というあいづちをしながら最後まできく。分析や説教はしない。(アドバイスも、求められなければ要らない)

・それは悲しかったね、腹が立ったね、など事実ではなく感情に焦点を当てる

・誰かと比べない

 

大人同士話すのと変わらないのですが、相手が子どもだと「不要なアドバイスや説教」をしてしまう親が多い気がします。

カウンセリングでは、相手の感情を言い換えなどで確認しながら寄り添い、解決法や事態の本質を自分で気づくことができるように導きます。

答えをカウンセラーが勝手に導きだしてはいけない、とされています。

子育ても同じこと。親が解決法を考えるのではなく、子どもが自分の力で体験と向き合い、解決を考える過程に寄り添います。

子どもが考えた方法が違うのでは、と感じても、否定せず(まぁ他の子に危害を加えることが明らかな場合は別ですが)とりあえずやってごらん、またなにかあったら教えて、といって見守ることにしています。

 

傾聴育児の良い点としては

・親子の絆や信頼感が深まる

・子どもの自尊感情が高まり、自分の気持ちや考えを臆せず相手に伝えられるようになる

・子どもの現状がよくわかり、問題にいち早く気付ける

 

傾聴育児の弊害としては

・子どもが話すことが楽しくなって、人の話をきけなくなる(かも)、文章を書かなくなる(かも)

・子どもが家でしゃべりすぎて、うるさい

・私は人の話ばっかりきいて、誰も私の話をきいてくれない!ときいている側のストレスがたまる

などがあります(笑)

傾聴を意識してきた私も、あーもーうるさい!!!少しだまって!!とキレてしまうことも。

 

傾聴育児が絶対正しいとは私は思っていませんが、今後もできるだけ意識して続けていく予定です。

娘も兄に負けずめちゃくちゃしゃべるので、今後どうなるか楽しみでもあり、恐ろしくもある日々です。