仕事と育児。おまけに投資、始めます。

フルタイムワーキングマザーの忘備録。投資初心者です。

再就職が世界一厳しい国。ママでも稼げる社会へ

男女共同参画推進が掲げられて数十年。

女性の社会進出は進んでいると言われますが、本当にそうでしょうか。

 

産育休関連の制度は年々充実してきていますし、出産後も働き続ける女性は今や73パーセントと言われています。

 

子どもが幼稚園のときは周りは専業主婦のママばかりだったのに、小学生になったら、半数以上が働くママになってしまった、というのはよく聞く話。

実際うちの子の学校でも、小学校1年生の時点で、学年の半数の子どもが学童クラブに通っていました。

学童クラブを利用していない共働き家庭もあるでしょうから(週1~3回の勤務とか、3時間程度のパートなど)それらを含めると、半数〜3分の2程度は共働きと言えるでしょう。

 

しかし現実に、「女性の活躍」という華々しい看板を背負って働く女性は多くありません。

 

多くが「生活のため」あるいは将来のためやいざというときのため、仕方なく働いているという現実があります。

 

仕事も、聞くとフルタイム正社員や資格職でキャリアウーマンとして働いているお母さんはほとんどおらず、

パートや派遣だったり、あるいは時短にしてもらって、というお母さんがほとんど。

 

家事や子どもの関係の世話は母親がほとんどこなし、ついでに仕事を、という形が全体の8割以上を占めている印象です。

 

年収など聞いたことはないですが、世間の女性の30代・40代の平均年収等から察すると、100万から300万台くらいのようです。

 

日本は、働くシングルマザーの貧困率が、世界で一番高いと言われています。

シングルマザーだけでなく、一度仕事をやめ、もう一度働こうとする女性に世界一厳しい国が、日本なのではないかと思います。

 

働く母親に厳しいということは、性別関係なく、いろいろな事情でフルタイムで働くことが難しい人たちにとって厳しいということ。

非正規や派遣で働く人たちにとって厳しいということ。

新卒採用のレールから外れた人にも、貧困から立ち上がろうとする人たちにも、厳しいということです。

 

世界一は言い過ぎじゃないか。

仕事は選ばなければいくらでもある。

がんばれば道は拓ける、そう言う人がいるかもきれません。

 

たしかに、働き手が不足しているこのご時世、仕事はいくらでもあります。

しかし、定時で帰ることができて経歴不問、年収500万円以上の仕事が、本当にあるのでしょうか。

 

もしあったら、応募が殺到していることでしょう。

 

年収500万というのは、3〜4人の家族を養うことができるギリギリの年収だと思います。

住んでいる地域によって、500万では全然足りなかったり、逆にもっと少なくても余裕がある、という場合もあるかもしれません。

仮に、3〜4人家族が貯金をしつつ暮らせるギリギリの金額が500万だとして。

 

女性にこれくらいの年収がなければ、シングルマザーになったときに、余裕ある生活ができません。

男性もこれくらいの年収がなければ、結婚して子どもを持つという未来を描くことができません。

 

もしどんな人でも、勉強して一生懸命働いて年収500万円という数字に届くのであれば、

多くの人が夢を描けるようになります。

 

将来結婚して、妻と子どもを持つ夢。

年収500万の家族が、夫婦とも働いて年収1000万を超える、という夢。

あるいは夫と離婚して、子どもたちと暮らすという夢。

 

自分の人生を自分で描くという、ごく当たり前のことが、収入が少ないと難しくなります。

どんなに努力して労働時間を増やしても、大して年収が増えないのでは、人生に夢を持つことはできません。

 

もちろん働きたくない女性は、働く必要はないですが、

「いざとなれば家族を養えるぐらいは稼げる」のと

「いざとなったら生活に困窮する」のでは

まったく安心感が違います。

 

「稼ぎ手である夫に何かあったら、自分ではどうしようもない」

という思いは、確実に生活に影響を与えます。

 

よく「本当は小さい子どものいる母親は働きたくないのだから、父親の給料をあげて働かなくてもすむ社会にすべき」などという意見を目にします。

しかし、子どものいる家庭の男性の収入をあげて、あるいは手当などを増やして、妻が働かなくてよい社会になったとしても、根本的な解決にはならないと感じます。

 

なぜなら根本的な問題は、給与の大小ではなく、雇用形態や会社による格差と社会的なチャンスの欠如だからです。

 

夫婦の収入格差は、そのまま社会の雇用形態による格差になります。

 

夫の年収が高かろうが低かろうが、妻は自身の収入の不公平について、もっと声をあげていいと思います。

 

日本では収入について、「自己責任」の考え方が非常に強いです。

低収入は転職を繰り返した自分が悪い。あるいは子どもがいて長時間労働できないせい。

正社員の立場を一度手放したのだから、非正規でも自業自得。

 

本当にそうでしょうか。

正社員の立場を一度手放したら二度と戻れない、そして非正規の職員を使い捨てにする、そんな社会でよいとみんなが思っているのでしょうか。

 

誰にでもチャンスが与えられ、夢が描けるからこそ、人は働く意味を見つけられます。

どんなに努力してもチャンスがないのであれば、向上心もやる気も起こりません。

 

ママであってもママでなくても、年収500万円程度を稼ぐチャンスは、平等に与えられる社会であってほしいですね。